はてなスター再評価

nobu_kichi2008-02-17


はてなスター」イイジャン、という話。長文失礼。

Web2.0は、相互の「反応」がユーザをつないでいる。反応とは、ブログのコメントであり、diggはてブにブックマークする行為であり、トラックバックを送信・許可することであり、YouTubeにアップされた動画を自分のブログに貼り付けて布教する活動であり、Twitterで自分のことをまったく知らない相手に@メッセージを送るチャレンジであり、Amazonマーケットプレイスで購買者が出品者を評価することである。

反応は、人間を動かすガソリンである。自分が行ったことに対して何らかの反応があると、人間は「うれしい」と感じ、さらにその行動を繰り返すことへの原動力になる。逆に、自分の行為に対して十分な反応が得られないと、人間はその行為をしなくなる。ボクも含めて、多くの人のブログが三日坊主になる理由は、結局のところ、ガソリン切れなんだろうと思う。

広く言われていることだが、Web2.0の世界でコミュニティが成功するためのファクターはユーザ数だ。コミュニティの価値はユーザ数の2乗に比例するそうだ。これは、「ユーザに反応を与えるのは他のユーザである」ことを考えると、当然のことだ。ユーザの大きいコミュニティは反応のよさが新規のユーザをひきつける。この雪だるま的、ユーザ数増加ポジティブ・スパイラルが回るための臨界点を超えられるかどうかが、成功と失敗の境界線となる。

さて、個々のユーザに対する反応のよさは、コミュニティの大きさだけに依存しているだろうか?MECE的に分解すると、そうではないことがわかる。

ユーザが受け取る反応
 = 本人の活動の数 × コミュニティの大きさ × 反応の返しやすさ

コミュニティの大きさ以外の2つのファクターは、本人の活動の数と、他者の活動に対する反応の返しやすさ、である。本人の活動とは、例えばブログのエントリを書くこと。活動することと反応することの敷居を下げることによって、各ユーザが受け取る反応の量を大きくすることができる。Twitterが広く受け入れられたのは、一重にその気軽さにあると思う。SNSの重さに嫌気がさしてTwitterに流れる気持ちはよくわかる。ボクもそうだ。

さて、本題。はてなスターは、その手軽さゆえに、他のユーザの行為に対して反応を返すことの敷居を限りなく低くしている。短い文章を書く必要すらない。トリビアの泉で「へぇ」ボタンを連打する感覚で、スター追加ボタンを押せばよい。ブログのエントリだけでなく、はてブのコメントに対してもスターを追加できるのもイケてる。はてブのコメントにスターをつけてもらうと、他のユーザの参考になる、コメントを書こう、という気になる。Like no otherであるがゆえに、わかりにくいはてなスターだが、とてもイケてるとボクは思う。ユーザ数が一定であっても、ユーザ間の相互反応を活性化させることは可能である、ということを示してくれている。はてなの皆さんには、ユニークで変なサービスを開発し続けていただきたい。